ドリームキャッチャー

03年/米 監督:ローレンス・カスダン 出演:モーガン・フリーマン、トム・サイズモア、ジェイソン・リー
ヒロイン:ダミアン・ルイス


 例えば、楽しい人なんだけれど入浴が月3回でネルシャツの裾をケミカルウォッシュに突っ込んでいて靴は体育館シューズで頭はバンダナ装備、というような男性に惚れてしまったとする。もちろん周囲は「やめなよあんなの!」「一緒にいてはずくない?」と大騒ぎするであろう。それは自分も分かっている。どう見ても彼は爽やかなハンサムなどではない。座敷牢に閉じ込めておきたくなるようなスタイルだし、異臭もありありだ。しかし恋する乙女は後ろめたそうに、しかしハッキリと言うのだった。「だって、好きになっちゃったんだもん…」

 「ドリームキャッチャー」はそんな感じの映画だと思う。とにかく頭からシッポまで時節やストーリーや視覚効果(笑)が破綻してるし、ぶっちゃけわけわかんないし長いしそんなバナナだし、およそ冷静な目で見たらどうにもいいとこなしの映画だと思う。思うんですが、恋は思案の外というか、なんかもう見終わった後にただならない感動が襲って来てしまって、今ではこのいろんな意味でうんこな映画に身も心もメロメロになっております。で、どこが好きなんだ?と言われると「わかんない…」としか答えようがないのですが。だって好きになっちゃったんだもん!理由なんかないさ好きなんだ〜

 ストーリーはヘンリー、ビーヴァー、ジョーンジー、ピートの幼馴染み四人組が雪山の小屋でバカンス中、なぜかとんでもないこと(他に言い様がねえ!)が起り、えらい状態(他に言い様が略!)に巻き込まれていくというもの。で、ぶっちゃけ宇宙人が侵略してくるんですがこれが凄い。なんていうか、今まで誰もが避けて通っていた部分にズコーン!と切り込んでしまったというか、とにかくメタルジェイソン以来のアゴ落ちビジュアル。いや〜いくら宇宙人でもアレは出さねえだろローレンス・カスダンだしさきっと小洒落てヒネッたビジュアルがってうわああああああ! な、心境でした。

 そんでもってこの4人組は小さい頃助けたダディッツという男の子から授かった超能力を持ってるんですが、これで感動したのはジョーンジーの持つ「記憶の保管庫」。彼はとにかくどんな小さな事でも頭の中にある保管庫に仕舞って記憶しておく事ができるという能力を持っているんですが、物語の中盤以降宇宙人に体を乗っ取られたジョーンジーはその自分の保管庫に精神を閉じ込められてしまうのです。で、この保管庫の絵面が凄くよくて!こう、うまく説明できないのがもどかしいんですが、脳内電話とか暖炉とかカートとか…とにかく素晴らしい。素晴らしく変。だって「宇宙人に身体を乗っ取られた男が自分の脳内にある保管庫に閉じ込められてそこの窓から外の世界を見て泣き叫んでいる」なんてショットがあるんですよ。…変だ…変過ぎて愛おしい…。

 まあしかし普通好きな映画をけなされるとムカッ腹が立ちますが、ことドリキャに関しては「しょうがないな…」「気持ちは分かるよ…」と消極的な態度になってしまうのです。「ゾンビ」とか「バロン」をけなされればドロップキックの一発も発射する準備がありますが、「なんだよこの映画!屁とかゲップとかウンコとか超汚ねえじゃん!女っ気ねえしよ!」と言われてしまうときっと黙って曖昧な笑みを浮かべるに止まってしまうと思います。だってその通りなんだもん…。でもこの映画に心惹かれたみんなは分かってくれるよね、この切ない愛を!アーイ・ダディッツ!


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