ペンデュラム 悪魔のふりこ

91年/米 監督:スチュワート・ゴードン 出演:ランス・ヘンリクセン、ジェフリー・コムズ、ローナ・デ・リッチ、悪魔のふりこ


 世間の扱いこそどうでもいいが、実はかなり面白いオオシマン・フェイバリット・ホラーの一本です。隠れファンも多いらしい。中世のスペインを舞台にした、まさかの時にスペイン異端宗教裁判!な正統派ゴシック・ホラー。あー、例によって色々とウロ覚えですが、誰も私に正確な情報なんて求めてませんよね?

 魔女狩りがトレンディだった頃のスペインで、死人の墓を暴いたり骨すり潰して砂時計作ったりとブイブイ言わせまくっていた大審問官ランス・ヘンリクセン。しかし彼は美しいパン屋の人妻・マリアにフォール・イン・ラブ。職権乱用で彼女を魔女として引っ立てなんとか古城のナイト・クラビングと洒落込もうとしますが、パツキンの旦那とラブラブなマリアはいけずな返事。こうなりゃ力づくで! とは誰もが考える展開ですが、ランス様には海より深い苦悩・ED(勃起障害)があったのでした。今なら電話一本で気軽に相談できますが、神奈川クリニックもない当時のインポは今よりずっと深刻な問題だったんでしょうな。ていうか聖職者がインポで悩むなよ! 

 とりあえずそんなツッコミも無視してムチムチプリンのマリアを前に脂汗を流しまくるランス様。迫真の演技。結局彼は自分になびかないマリアを魔女として処刑(舌切断!)してしまいます。マリアの遺骸に聖母のコスプレをさせてプルプル震えるランス様。迫真の演技。しかしそれで済まないのがマリアの旦那で、彼は怒りのまま警備強固なヘンリクセン城にサックリ侵入してしまいます。なぜならしがないパン屋は世を忍ぶ仮の姿、旦那の正体は元スゴ腕傭兵だったのでした。そう言えば冒頭にそんなセリフがあったような無かったような。怒りのエクスターミネーターと化した旦那のちょっとジャッキー・チェン入った活躍をビックリしながら見ていると、なんだか突然「スリーピー・ホロウ」のイカボットおかんのシーンのようなファンタジーな画面が挿入されます。ん?何これ? 実はマリアにはマジで魔女の素質があり、彼女は死して本物の魔女に導かれランス様に復讐すべく魔力を身に付けたらしいのです。スゲー! 二度ビックリしながら手に汗握りポテチを食っていると、タイトルの「悪魔のふりこ」ついに登場! この映画はポー原作・コーマン先生監督の「恐怖の振り子」(例によって未見)のリメイクだそうですが、多分そちらの振り子はもっと、なんていうかこんな風雲たけし城みたいな作りでは無かったんでしょうね。きっと。というわけでいきなりチャチいですが、旦那もランス様も凄く頑張っているのでちゃんと観ましょう。結果いろいろあって(記憶薄れ)悪は滅び善は栄えめでたしめでたしなのですが、ストーリーよりも雰囲気や映像の美しさの方が心に残るタイプの映画でした。

 この映画、古城はもとより衣装や小道具なんかも(振り子以外は)かなりしっかりしていて、一見予算もしっかりありそうな感じすらするのです。演出が凝ってるからかな? 俳優陣もかなりゴシックしてて(マリアと旦那はいきなり現代劇なルックスなんだが)ゴス好きな方ならかなり満足出来る一本だと思います。まあとにかくインポでサドで純情な大審問官というあまりに複雑な役柄を、その頬シワ一本で見事に演じ切ったランス様一人勝ち映画でしょう。お勧めです。


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