真夜中のカーボーイ

69年/米 監督:ジョン・シュレンジャ− 出演:ジョン・ボイド、ダスティン・ホフマン、バーナード・ヒューズ


 テキサスの若いカウボーイかぶれ、ジョー(ジョン・ヴォイド)が、ジゴロを目指してニューヨークにやって来る。しかしイキがっているだけの田舎者は誰にも相手にされず、ジョーは金も仕事も無いまま途方にくれる。そこで足の悪い詐欺師ラッツォ(ダスティン・ホフマン)に出会うのだが…というストーリー。5年前に初めてこの映画を観た時にゃ、もうその日中泣いて泣いて泣きまくって、その後も3年くらい主題歌の「うわさの男」が流れちゃあ泣き、アロハシャツ見ちゃあ泣きしていた永遠のトラウマ映画です。
 なんでホラーは平気なのにアメリカンニューシネマがトラウマになんねんと思う向きもいらっしゃいますでしょうが、当時の幼いオオシマンは我が身を思いっきりジョーに投影して観てしまったのですよ。ロクにテレビも映らないようなド田舎に育ち、東京に行きさえすれば、きっと自分の才能は花開きモテモテ人気者になれるはずだと信じていたあの頃…。そのお気楽な人生感を打ち砕いたのだこの映画でした。人が良くてダサくて、誰にも相手にされない田舎者。都会に完膚なきまでに叩きのめされる田舎者…痛い。痛すぎる。私は自分の前に横たわっている暗澹とした未来に絶望しましたとのことよ。

 しかし、だ。その時の私は若かった。現在オオシマンは実際に上京生活を数年おくり、現実のしょっぱさも多少は舐めた。1度観て以来あまりの辛さに二度と見る事はないだろうと思っていたこの映画だが、今なら普通に観られるんじゃないか?ようし、成長した私を見せてやる。カウボーイハットにオレンジジュースも用意済みだ。来い!ジョン・シュレンジャー!ちょっとやそっとじゃ泣かんぞ!
 居住まいを正してDVDをプレイヤーにオン。冒頭のシャワーシーン、こうして見るとジョン・ヴォイドとスコット・H・ライニガーって似てるなあ。よしよし冷静冷静。そうこうしている内に軽快なギターサウンドからニルソンの「うわさの男」が……。おばはん!開始3分で泣いてどうするよ!

 その後はもうだめ。惨敗。特に後半30分はほっぺたの乾く暇なし。ラッツォの汗をシャツでぬぐってやる所とか、バスのシーンとか……。
 つうわけで30分くらい泣き伏してから感想を書きました。オオシマン二十歳(※当時)独身、またしてもアンジェリーナ・ジョリーの実父に惨敗。しかし昔は「友情の映画だよね」と思ったが、今見ると明らかにホモセクシャルが大きな主題というか根底に横たわってるのね。なんとレイプシーンまであったし。ケンカしてるんだと思ってたよ…可愛かったな私…。


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