冷凍凶獣の惨殺(原始獣レプティリカス)

61年/デンマーク 監督:シドニー・W・ピンク 出演:カール・オットセン、原始獣レプティリカス


 2、3年前にTVの深夜枠で拝見。いつもこういうTVで放映されるどうでもいい映画を観て思うのですが、字幕付ける人はつくづくやってらんねえだろうなあ。とにかく物心付いたときからコレ系の球を狙って打ちに行っていたスラッガーオオシマンですが、正直これほどひどい打球にデッドボールされたことはついぞありません。お陰で未だにその衝撃的過ぎる映像の数々が脳裏から離れてくれない。それくらいインパクトのある一本です。当然ですが再見する機会もつもりも無かったので、毎度の事ですが以下ウロ覚え。

 マッチョなお兄さんたちが今日も今日とて炭鉱仕事。俺たちの汗が明日のデンマークを作るんだ! しかし彼らが掘り当てたのはカチンコチンに凍った得体の知れない動物の一部。こらなんだべさという事で、リーダー格らしいイケメン炭鉱夫はなぜかそれを水族館?水産研究所?ハマチ養殖所?とりあえず水っぽい所に運んで行きます。そこのヒゲメガネな分かりやすいルックスをした博士は「これは貴重な古代生物じゃ!」と速攻で断言。しかしある日その動物の一部(便宜上レプティリカスと命名されています)が溶けてしまった! ガックリ来る博士ですが、とんでも三分歩いてハップン、溶けたレプティリカスの細胞が成長し始めたではありませんか。ビビるイケメンその他の登場人物。しかし博士は「こいつはノーベル賞もんじゃ!」と大フィーバー。止せばいいのにそのままほっぽって育ててしまいます。案の定ある嵐の日、元に戻った(らしい)レプティリカスは逃走! 確かこの時点で二、三人ほど食われていたと思います。あ、あとヒロインが登場してた気が(どうでもいい)。

 そしてついに我々の前にその全容を現す冷凍凶獣レプティリカス! レッドスネークカモーン!(今、ほかにもこの映画観た人いるのかなとググッてみたら同じような感想が数点ありました)いやーちょっとどうなのこのあからさまなのは。あ〜私、保育園のころ工作の時間にこういうの作った事あるわ〜。そんないらんノスタルジーまで喚起させてくれる素晴らしい造形。ティーコゼー(ポットカバー)にウロコを付けたような、と言うと分かりやすいかも知れません。

 そんでもって一応軍隊とか出て来て攻防したりしてるみたいなんですけど、凄く強いらしいのねこいつが。で、レプティリカスの攻撃っていうのが口から毒液?吐いたりしてるみたいなんですが、それがどういう描写かと言うとレプティリカスが濡れた赤い唇をほんのりと半開きにするカットのあとに、画面にベチャッとしたイラスト毒液が被さるんですよ。未知の映像体験。正直マトリックスを最初に観た時以上にビックリしました。その後にんともかんとも歯の立たない軍隊を尻目にレプティリカスは一時行方をくらまします。タマちゃん騒動の半分くらいの勢いで盛り上がるデンマーク国民。ちなみにこの映画、どうも国から援助かなんか受けてるらしくて、途中イケメンとヒロインのデートシーン(あんたら呑気過ぎや)で5分くらい延々とデンマーク観光映像が流れていました。眩暈が。

 その後再び、今度は都市部に上陸したレプティリカス。なんかここエキストラの気合が凄くて(やっぱ国から援助受けてたのか?)怪獣より逃げてる市民の方がおっかないんですよ。ドミノ倒しになっちゃってる人たちとか居てそっちの方がスリル万点。逃げ惑う罪無き人々! 襲い掛かるアニメ毒液! ドピュッ。ここまで来ると私も結構真剣に見ています。で、普通に人も食ったりするんですが、これがまた本当に凄くて! 農家のオッサンがギャー!とか叫んだ次の瞬間、レプティリカスの口にオッサンの写真を切り抜いたとおぼしき紙がはっつけてあるんですよ。真・映像体験。ビジュアルの魔術! お母さん助けて! しかもなんかこの切り絵、アニメーションで動いてる! 無駄に細かい! いっそ人形使えよ! なんなんだよこの映画ァァァ!

 ……とか叫んでいるうちに、レプティリカスは口腔に熱くて硬い砲弾をズップリと押し込まれてイッてしまっていました。オチは戦闘によって千切れたレプティリカスの一部が海底でピクッv というありがちな二段オチ。いやー未だにあれは疲労が見せた幻覚なのかもしれないと思うくらい、素晴らしいビジュアル・ショッキングでした。お勧めしません。ていうか私、結構細かく覚えてますね。びっくり。


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