遊星からの物体X

82年/米 監督:ジョン・カーペンター出演:A・ウィルフォード・ブリムリー、デヴィッド・クレノン 音楽:エンリオ・モリコーネ 特種効果:ロブ・ボッティン
兄貴!:カート・ラッセル


 実はリメイク元であるハワード・ホークス版は観てませーん。相変わらず片手落ち大王ですが、同じカーペンターの「ハロウィン」のテレビ鑑賞シーンで流れてたのを見た限り、オープニングタイトルや円盤シーンのカットは同じみたいですね。あのタイトル格好良くて好きです。今見てもイカスのでホークス時代ではもっと画期的だったんだろうなー。にしても音楽エンリオ・モリコーネというのはちょっとびっくり。でもこの映画のスコア最高です。イライラピリピリしてて。そういや「ミッション・トゥ・マーズ」も確かこの人だったはず…どんな曲だったかは憶えていないが。実はSF好きなのか?

 南極観測隊のアメリカ基地に突然ショットガンを持ったノルウェー人がヘリで乗り込んで来て、「ワルキューレの騎行」をBGMに人類を石器時代に戻すというお話。観測隊がサーフィンするか!嘘です。オープニングはそんな感じなのですが、その後の展開は息も吐かせぬ大緊迫シーンの連続。舞台はほぼ雪に閉ざされた観測所に限られているし(敷地は結構広いようだが)ほんとに野郎しか出て来ないし、寒そうだわむさ苦しいだわで目が離せません。
  はるか過去に地球に飛来した宇宙生物の物体Xが南極で目覚め、観測隊員たちの身体を次々と乗っ取って行くという基本はシンプルなストーリーなんですが、何でこの映画が長年愛される孤高の名作になったかと言うとやはりロブ・ボッティン作の素晴らし過ぎるクリーチャーがあったからだと思います。カーペンターの演出ももちろんだけど、「にせもの」から正体を現す物体Xの気色悪いこと気色悪いこと。臭ってきそう。肌色系でヌメヌメしていて歪んでて(多分にフランシス・ベーコンを意識している感あり)、大ボスのブレア・モンスターの造型はちょっと納得いかないもののギーガーズエイリアンの次に素晴らしいSFクリーチャーだと思います。いやオオシマン的には一番好きかも。ギーガーのはもう美し過ぎて芸術の域にまで行っちゃってますが、物体Xはひたすら気持悪さを追求してるもんなー。正しきクリーチャー魂。確かフィギュア出てるはずですが、死ぬ程欲しいです。誰かくれ。

 ホークス版の背景にあった(と言われる)「赤狩り」ですとか、そういう意図がどれくらいカーペンター版に持ち込まれているかは分かりませんが、純粋に娯楽SFホラーとしてここまで面白い作品は少ないんじゃないかなー。展開も無駄がないしキャラも魅力的だしカート・ラッセルはカート・ラッセルだしラストは男泣きだしで、観たあと心から「面白かったー!」と叫べます。是非来る秋の夜長、または厳しい残暑を涼やかに過ごすお供に選んで頂きたい一本。


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